直近の音楽業界の潮流を少し知って、メディア作るのも面白いかもと思った
※今回は水平思考じゃなくて、割と普通のアイデアの話※
あるエンタメ系プロジェクトに関わっているおかげで、最近は自分では拾えなかった領域、特に音楽業界の潮流についての情報が入ってくる。
昨日は、「チャンス・ザ・ラッパー」というアーティストについて教えてもらった。大まかにはこの記事にかいてあることを。
余談だけど同記事にあるように、米国の音楽産業の経済圏の内CDが占める割合はわずか16%。日本では未だCD文化が根強いけど、いくつかの先進国では既に過去の文化らしい。
さてチャンス・ザ・ラッパーだが、YouTubeやSpotify、SoundCloudなどのストリーミングで音楽を聴く人であれば、ほぼ100%知っているようなアーティストの模様。(自分は知らなかった)
彼のスタイルは、大雑把にまとめると下記のようなもの。
- ストリーミング系サービスで認知を広げる
- 興行やグッズ販売でマネタイズ
- アーティストとしての価値が高まってきたタイミングで、独占先行配信権などでさらにビジネスを行う
レコード会社が介在していないどころか、音楽を売っていない。だけど人気。とても型破りだ。最先端感 is ある。
さてここで自分が気になったのは、ストリーミング上で人気アーティストになることは、チャンス・ザ・ラッパーの天才で成し得たことなのか、再現性がある=追随する人が出てこれるものなのかということ。
で、調べてみたら、どうやら再現性ありそうだなーと。
例えば、日本だとAmPmっていうアーティスト(というかプロジェクト。アーティストはYouTubeから起用してる)がある。
彼らについてはこの記事が参考になる。
素性は非公開だし、自分たちで音楽を作ってないし、販売もしていない。だけどSpotify米国バイラルチャート6位になった。
ストリーミング上でより大きく活躍するために彼らが述べているコツは下記のようなもの。
- 音楽に強いプラットフォームに広告費を払ってプレイリストに載せてもらった
- どれだけ多くのプレイリストに入るのかがポイント
他にも、Spotifyのプレイリストやミックスに載るためにGithubのソースコードを分析して、どういう楽曲がフィーチャーされやすいのか仮説を立てて楽曲を作ったりもしたらしい。
(音楽好きの友人によれば「最初の曲は良かったけど、最近は聞いてないな」とのことだったけど…)
ともかく、かつてのCD文化のような、レコード会社が間に入った構造は転換されつつあって、クリエイター個人がいくつかのプラットフォームを使えば自らをエンパワーメントできる世界が訪れているらしい。テクノロジーって素晴らしい。
さてここからが本題。
上記の内、「おや? これってビジネスチャンスなのでは?」と思った箇所がある。
それは、AmPmのプレイリストについてのくだり。
あれは要約すると、下記のようになる。
「より多くのプレイリストに入れるかどうかで人気・伸びが変わるから、プレイリストに強い幾つかのプラットフォームに広告費を払って載せてもらった」
ちょっと調べてみると、似たようなことは他のアーティストも行っている模様。(もちろんこれが全てではないと思うけど。)
これって音楽メディアやプラットフォームの役割が、個々のアーティストにとって大きくなってきているということなんじゃないかと思う。
もちろんここで言うメディアやプラットフォームというのは、従来の囲い込み的戦術を行うWEBメディア・オウンドメディアのことではなくて、各ストリーミングサービスのプレイリストやそのアカウントのこと。
例えば、YouTubeで350万、Spotifyで35万のフォロワーを持つMajestic casualというドイツのメディアがその代表例。
つまりストリーミング音楽版分散型メディア。この領域は、チャンスなのではないだろうか?
ストリーミング音楽版NOWTHIS、ストリーミング音楽版BUZZFEED。そう考えるとなかなかイケそうな気がしている。